丸太の測り方


先ずは面積の求め方(小学校の復習)

 「原木市場ではどのように丸太を測っているのですか?」異業種の方が市場見学などに来られた時によく聞かれる質問です。 木材業において丸太の大きさを測る単位として、必ず "m3”(リューベと呼ぶ、一般には立方メートルと言いますね)を使用します。 市場での原木取引はその m3(リューベ)を基本として行われています。 それではm3(リューベ)をどのように活用しているでしょうか? 先ず小学校の算数の時間で習ったと思いますが、1m3の面積の求め方を少し復習します。



(問) 左の図の面積を求めなさい。但し、1辺は1mとする。

(解答) 面積の求め方はというと、、、縦×横×奥行き、、、
 1m×1m×1m=1m3

 非常に簡単ですね!


丸太の計り方

 では丸い丸太をどうやって測るかと言いますと、丸太を四角形のものと仮定し材積を計算します。 四角形の一辺に当てはまる丸太の位置としては、円の中心を通る対角線の最小径を2cm単位で測り、  その"一辺×一辺×長さ"とします。
 そのとき対角線を一辺とする四角形にしたら誤差(実際より大きくなる)が発生しているんじゃない?という疑問が出てきます。 実際、全ての丸太が正確な円を描いているとしたら、確かに誤差が出てきますが、 必ずと言っていいほど最小径と最大径との差はありますので、最小径に合わせることによって平均的に合ってくると思います。 これは農林規格で定められている規則で、実際大体のところで測らなくては本当に正確な数値を出すこと自体不可能ですし、手間がかかります。




計算式で言いますと、、、

D 丸太の径(cm)
L 丸太の長さ(m)

材積(m3)=D × D × L × 1/10,000


(問い)長さ3m 径16cm の丸太の材積を求めなさい。

(解答)
16 × 16 × 3 × 1/10,000 = 0.0768 m3
0.0768の少数点第4位を四捨五入し、0.077m3が解答となります。

(問い)長さ4m 径20cmが13本 径22cmが15本あります。材積を求めなさい。

(解答)
20 × 20 × 4 × 1/10,000 = 0.160 m3 ×13本 = 2.080m3
22 × 22 × 4 × 1/10,000 = 0.194 m3 ×15本 = 2.910m3
合計 28本 4.990m3

以上のように丸太の材積の求め方が意外と簡単である事が分かりますね。


数学上の誤差

先程、触れた誤差について数学上どれぐらい出てくるかを実際計算してみようと思います。
長さ4m 径24cm の丸太があったとします。

四角形 4m×24cm×24cm×1/10,000 = 0.230m3 (長さ×径×径)

円 柱 4m×12cm×12cm×3.14×1/10,000 = 0.180m3  (長さ×半径×半径×3.14)

0.230−0.180m3=0.05m3の誤差となり少し大きくなっている事になります。
実際、最小径に合わせて寸検するので、今度は逆に実物より少ない材積になるのではないかとの疑問も生まれますが、 その余剰部分は製品として使えない切れ端と考えて貰ったら良いと思います。


大きく変形した丸太の求め方

 大体は先に説明した方法で丸太の材積を求めれますが、中には大きく変形した丸太もあります。 例えば下記の図のような丸太があったとします。



この丸太の最小径をもとに寸検をすると、実物よりもかなり材積が減ってしまう事が分かりますよね。 そこで農林規格では次のような寸検時の規則があります。

最小径38cm以下の場合 最小径と最大径との差が8cmごとに 最小径に一目(2cm)プラスしたものを寸検とする
最小径40cm以上の場合 最小径と最大径との差が6cmごとに 最小径に一目(2cm)プラスしたものをを寸検とする

具体例で表しますと、短い部分40cm、長い部分46cmの丸太があったとします。
差が6cmあるので、、、短い部分40cm+2cm=42cm×42cm正方形の丸太として寸検をします。差が12cmの場合は4cmプラス。

 今まではあくまでも全ての丸太が垂直であるとの前提で話をしていましたが、 実際には真ん中あたりでぐいっと曲がっているものもあります。 それについても答えは簡単です。曲がっていても垂直であるものとし寸検します。 但し形状では”曲がり、大曲”と記入しますので購入者にもわかります。







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